テーマ:読書生活

火星に住むつもりかい?

伊坂幸太郎の「火星に住むつもりかい?」。一風変わったタイトルはデイヴィッド・ボウイの曲から来ているらしい。何となくSFものなのかなと思って読み始めると想像とは全く違うストーリーが始まるのは、読んだ人なら同感してもらえると思う。SF的と言えばSF的な世界観。しかも前半三分の一ほどは、読むのが辛くなるほどのダークな話。 面白いのはこの…
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不気味な男

村上春樹の「1Q84」には、牛河という不気味な男が登場する。その不気味さも、村上春樹的な不気味さと言うよりも、もっとマンガ的な不気味さで、個人的には藤子不二雄のマンガによく登場する(この場合は我孫子先生の方ですね)ような不気味な人物を連想してしまう。 村上作品を良く読んでいる人なら、この牛河という男が「ねじまき鳥クロニクル」にも登…
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海辺のカフカ

90年代以降、なんとなく離れていた村上春樹の長編小説をまた読み出した。 先月読んだ「ねじまき鳥クロニクル」が圧倒的な内容だったので、それ以降の現在までの作品を読んでいこうと思っている。 そういう訳で「海辺のカフカ」。2002年の作品。 個人的には、とても面白く読めた作品だった。村上作品特有の、謎が謎のままどんどんストーリーが進…
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ねじまき鳥クロニクル

本当に久しぶりに村上春樹の長編小説を読んだのは、たぶん失業中で暇だったからだ。そういう訳で読み始めた「ねじまき鳥クロニクル」の主人公も失業中なのである。 考えてみたら会社努めをしていた間は、村上春樹の長編小説を読んでいない。もしかすると村上春樹を読む時には、社会的に不安定な状態が必要とされるのかもしれない。 とにかく圧倒的な内容…
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世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド

村上春樹が「羊をめぐる冒険」で示した不思議な世界観は、彼の文学の本質的な部分を示していたように思う。そして続く「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」。確立された文学世界が圧倒的な作品だった。 「羊をめぐる冒険」や「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」が文庫で発売された頃が、私が一番熱心に村上春樹を読んでいた頃だった。初…
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羊をめぐる冒険

村上春樹の「風の歌を聴け」の主人公はその後、「1973年のピンボール」と「羊をめぐる冒険」にも登場する事になって、初期三部作と呼ばれている。 その後発表された「ダンス・ダンス・ダンス」にも同じ主人公が登場するけれど、いろいろな理由から三部作とは別個の物語と扱われる場合が多い。私もそう思う。 「羊をめぐる冒険」を読んだ時は、前2作…
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風の歌を聴け

村上春樹を初めて読んだのは、19歳の夏だったと思う。「風の歌を聴け」だった。 たぶん半日ぐらいで読んでしまって、それからその夏は、何処に行く時もその文庫本を持ち歩いて、何度も繰り返し読んでいたような気がする。まるでお気に入りのアルバムをカセットに入れて繰り返し聴くように。 そんな読み方をした小説は、「風の歌を聴け」が初めてだった。す…
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半島を出よ

村上龍の『半島を出よ』は、2005年の作品だったと思う。小説で描かれる事件が勃発するのは近未来の2011年の春。政府は首都機能を守るために福岡を封鎖する。 たぶん2016年の日本に生きている(マトモな)人なら確実に感じるデジャブ感。小説の前半は怖いぐらいにクールに、まるで優れたノンフィクションを読んでいる時のように、小説の世界に引き込…
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持たざる者

金原ひとみの『持たざる者』。 この本を読んだきっかけは、優れた震災後文学として紹介していた書評を読んだからだったと思う。 それぞれ別の人物の一人称で語られる4つの章。特に一つ目の章で描かれる、原発事故による意見の違いで妻子と別れ、仕事もできなくなってしまうデザイナーのヒリヒリとした心情告白は秀逸。 海外で生活する2人の姉妹それぞれ…
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本質的な非暴力

小泉英政「土と生きる」。 著者の小泉さんが目指し実践するのは、命と環境を守る創造的な非暴力直接行動としての有機農業。その姿勢のルーツにはベ平連があり成田闘争がある。 そして試行錯誤の末に辿り着いた落葉堆肥による循環農場。でもそのささやかな成功も、震災による原発事故により循環の維持が難しくなる。 それならばと、落葉堆肥じゃない有機農…
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のりたまと煙突

星野博美さんは『銭湯の女神』の中の、“パンクは態度である”という文章を読んで以来、すごくシンパシーを感じている人である。 私と同じ1966年生まれなのは知っていたけれど、どうもこの人は私と同じ2月生まれだという事を最近知った。ますます感じるシンパシー。 とはいえ星野さんは女性なので、男性である私とは、例えば文章の対象との距離感の…
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手塚治虫の描いた戦争

手塚治虫は1928年生まれだから、10代後半の多感な時期は戦争のまっただ中だった。だから自伝的な作品も含めて、戦争を描いた作品も多くて、いろいろな形で発表されている。 私が好きな作品は「大将軍 森へ行く」。決してハッピーエンドではないけれど、手塚作品らしいセンスとヒューマニズム溢れる作品だと思う。 その「大将軍 森へ行く」も収録…
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渇きの海

最近、60年代70年代のSF小説を、気が向くと読んだりしている。たぶんきっかけになったのは東日本大震災。まだ余震が続く頃に読んだ小松左京の「日本沈没」にはやたらとリアリティがあったし、不思議な懐かしさもあった。 そういえばここ数年、音楽でも映画でも、面白いなあと思うのは60年代70年代の作品だったりもするのだ。 そんな感じで最近…
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戦争で死ぬ、ということ

「戦争で死ぬ、ということ」。若い読者にも通じる言葉で「戦争」の本質を伝える、島本慈子さんの名著。 戦争という行為の本質から目を逸らそうという時代の空気に従えば、戦争も平和のための手段として正統化されてしまう。9年前のノンフィクションだけど、2015年の今だからこそ読まれるべき本だと思う。 「戦争で死ぬ、ということ」の姉妹編ともい…
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無知は弱さになる

堤未果著「沈みゆく大国アメリカ〈逃げ切れ! 日本の医療〉」。 ジャーナリスト堤未果さんによる米国の医療ルポ「沈みゆく大国アメリカ」の続編。タイトル通り、テーマは日本の医療制度。 2冊を通じて現れる言葉が「無知は弱さになる」という言葉。ニューヨークの貧困地区の内科医の言葉である。 そして私を含めて多くの人が、日本の医療制度(あるいは…
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たったひとつの「真実」なんてない

かつてヒトラーから後継者の指名を受けていたナチスの最高幹部へルマン・ゲーリングは、「なぜドイツはあれほどに無謀な戦争を始めたのか」との裁判官の問いに、以下のように答えている。 「もちろん、一般の国民は戦争を望みません。ソ連でもイギリスでもアメリカでも、そしてドイツでもそれは同じです。 でも指導者にとって、戦争を起こすことはそれほ…
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戦争のインフレ平和のデフレ

ここ数年、経済に対する素朴な疑問は、どうしてデフレじゃ駄目なの?、という事だった。 給料は上がらなくてもモノの値段が下がれば、実質賃金は上がって生活はラクになる。個人的な感覚でも、バブルといわれていた頃よりもデフレといわれていた頃の方が生活はラクだったような気がするからだ。とはいえ私がその(デフレの)頃に働いていた会社は値下げ競争に負…
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エネルギーは誰のために

2011年の3月に福島で原発事故が起きて、風に乗って東京にも放射性物質が運ばれて、雨によって土壌に染み込んでいった。これは、確実に。 例えばこの土壌汚染が人体にどれだけ悪影響を及ぼすのか、つまりはよくわかっていない。人体への影響の因果関係が証明されるのには、たぶん何十年も必要なのだろう。だから今、私たちは自分で判断するしか方法がないの…
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農業という思想

例えば90年代に社会主義国家が崩壊していったように、暴走する新自由主義は21世紀の資本主義システムの国家を崩壊させてしまうかもしれない。メルトダウンする原子炉のように、制御不能の新自由主義。 崩壊するのはEU諸国だろうか。米国だろうか。日本かもしれないし、もしかしたら(資本主義国家じゃないけど)中国かもしれない。国家が崩壊するなんて、…
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個人店という思想

経済活動は人が幸せに暮らす為の手段であり結果であって、決して目的ではない。最近思うのは、そういう事だ。 そしてたぶん世の中には、二つのタイプの人がいる。経済活動が全てに優先される事を疑わない人と、それに疑問を感じて異議を唱える人だ。 「新宿駅最後の小さなお店ベルク」。新宿駅東口のビア&カフェ「ベルク」店長による2008年の本。と…
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戦争にならないと思っている人に

「憲法が変わっても戦争にならないと思っている人のための本」。2006年の本。 どうしてこの時期にこの本が出版されているかと言えば、この頃第一次安倍政権が憲法を変えて戦争のできる国にしようとしていたから。 そして2014年の第二次安倍政権。今度は憲法を変えずに戦争のできる国にしようとしている。いわゆる解釈改憲。新手のインチキ詐欺みたい…
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正義という共同幻想

森達也『「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい――正義という共同幻想がもたらす本当の危機』。 森さんの本は、震災と原発事故の後の不安だった時期によく読んだ気がする。というかあの時期は、図書館に通ってとにかくいろいろ本を読んでいた。 それでまあ、ああでもないこうでもないとウジウジと考えるのに疲れた時に森さん…
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オレたちはどこへ行くんだろう

星野之宣の「ヤマタイカ」。86年から91年まで月刊コミックトムで連載されていた漫画。 沖縄に卑弥呼の後継者が出現して、その能力で海底に沈んだ戦艦大和を復活させて(そしておそらく沖縄の人々の意志の力を集めて)、沖縄の普天間基地を(コテンパンに)攻撃する場面がある。不謹慎かもしれないけどこの場面、読んでいてワクワクした。 ちなみに作者の…
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血で書かれた事実

「殺すな、殺されるな」。 写真家である福島菊次郎による“写らなかった戦後”シリーズの3冊目。 日本人の戦争体験は加害の歴史をいっさい隠蔽し、自己の被害者意識だけで構築された虚構である。と断言する福島さんのメッセージに圧倒される。すごい本だった。 もし政治が無法な権力を行使するなら、 ジャーナリストもまたその暴力に反撃するのを…
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家族の帰る場所

「チェルノブイリ 家族の帰る場所」。スペイン人による、チェルノブイリの原発事故を描いたマンガ。 右開きの日本のマンガとは読み方が逆になるし、登場人物の家族構成や時間の経過がちょっとわかりにくかったりもしたけれど、しっかりとした線画で描かれた絵が馴染みやすい。 淡々と進む物語は、帰る場所を失った家族の写真は、私たちに何を伝えるのだろう…
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50年後の未来

「シャッター商店街と線量計 大友良英のノイズ原論」。 タイトルが示す通り、震災と原発事故後をひとつのテーマにした、何人かの人たちとの対論集。なんと、もんじゅ君との往復書簡まで収録されていて、決して明るいテーマではないけれど読んでると元気になる。これからの世界を生き抜くヒントが、ところどころに隠れているような本だから。 いちばん感…
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いまそこにある差別

「森達也の夜の映画学校」は2002年から2004年にかけてBOX東中野(2003年4月に閉館したためそれ以降はアテネ・フランス)で行われていた同名のワークショップを一冊にまとめた本。 オウムに在日、部落差別に身障者。普段なかなか観る事のできないドキュメンタリー作品が題材に取り上げられる事も多かった。 この本に取り上げられているよ…
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「日本国憲法」なのだ

憲法学者の永井憲一と漫画家の赤塚不二夫の共著『「日本国憲法」なのだ!』。 30年前の83年に発行された本だけど、マンガ形式の憲法解説がわかりやすい。2013年の現在、憲法を巡る動きの中で、再び手にする人が増えている。 例えばこの本の中の、赤塚氏のこんな発言。 くやしいのは、終戦になって、民間人のぼくたちは、軍隊が守ってくれるど…
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50年前の憲法大論争

講談社現代新書から出版されている「50年前の憲法大論争」。 1956(昭和31)年3月に行われた衆議院内閣委員会公聴会の議事録。案件は「憲法調査会法案について」。 収められた議論はとてもスリリングで、興味深い内容だった。読まれるべき価値は、2013年にこそ高まっていると思う。現在の小選挙区制が憲法改正のための制度だったという監修者の…
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社会を変えるには

反原発等のデモに参加していて、これホントに意味あんのかなーと思う瞬間が、正直時々ある。デモなんて参加する人たちの自己満足で意味がない。そう思っている人も少なくないかもしれない。 私が思う事は、デモに参加する事で、自分の意志や意見を表明する事で、社会に対する自分の立ち位置を明確にできる。それはもしかするとリスクを伴う行為なのかもしれ…
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